小金井市のタイル貼りマンション。出窓部からの漏水を解決。

小金井市の鉄骨のタイル張り 出窓まわりからの漏水

小金井市のビルオーナー様より、3階の出窓上枠より雨が漏れ出てくるとのお問い合わせをいただきました。
「鉄骨タイル張りで漏水で困っている」という方は、原因と解決策を参考にしてください。
3階出窓から漏水
鉄骨タイル張りの、3階の出窓部から漏水しています。ちょっとした雨でも、大量に漏ってきて困っているようです。

出窓サッシ上枠から漏水
水をかけて漏水を再現してみました。このように枠から雨水がにじみ出てきます。一般的にたくさん漏水している方が、雨漏れを見つけることは簡単です。
漏水原因のセメント目地
タイルとタイルの間の細い黒い部分は、目地と呼ばれており、ここには目地材(セメント材)が充填されています。散水調査の結果、この細いタイルのセメント目地部から漏水していることが分かりました。

こちらセメント目地は、割れてしまったあとでシーリングを塗りたくり補修した跡があります。そこが写真では白い線になっていますが、こちらラインからの漏水になります。

このような箇所から漏水する理由と、その補修方法について、見ていきましょう。

鉄骨タイル張りの建物の弱点

タイルに目地が隠れています。
鉄骨タイル張りの建物(タイル面に目地がないタイプ)の弱点について説明します。 

 鉄骨の建物は、通常は写真左側の壁面のように、いくつかの壁材(ALCパネル等)を継ぎ合わせてできています。壁材同士の継目を「目地(めじ)」といいます。目地にはシーリング材(ゴム状の防水材)充填されているのですが、このシーリングが劣化し切れてしまうと窓回りなどから漏水するのです。

写真右側のタイル面に注目してください。タイル面には目地がありません。実は、目地はタイルの裏側に隠れています。
タイルの裏側に目地がある場合、大規模修繕でも手をつけがたく、目地が修繕されないままになることが多いです。そして、修繕されずに放置されたタイル裏側の目地のシーリングは、やがて切れてしまいます。そこにタイルの欠損部等から浸入した雨水が入り込むと漏水にいたります。

鉄骨タイル張りの建物の弱点は、「タイル裏の目地が手当できないまま劣化してしまう」ということです。最近の建物であれば、鉄骨タイル張りの建物であっても、タイル下の壁材の目地に沿う形で、タイルにも目地をつくりシーリングが入っているのですが・・・築年数を経ている建物ですと、タイルに目地がない物件が多いという印象です。

タイル裏側の目地の補修事例

タイル裏側の目地を、どうするか。ご予算に応じて、いくつかの方法があります。まずは、簡単な方法ではなくて、しっかりと一度タイルを壊し。タイル裏側の目地も補修しなおした施工事例をご紹介いたします。
タイル裏の目地の確認
写真は、鉄骨タイル張りのマンションの漏水調査の際に、タイルを部分的に壊して中を見た際のものです。水平方向、垂直方向のシーリングとも、縮んでしまい、ぼろぼろになっていました。

このように部分的に破壊し、劣化具合なども見ることができますので、「気になるなあ」という方はご相談ください。

ALCの補修
補修の様子を見ていきます。まずは、タイルを大きくハツって、下地の壁材(ALCパネル)の目地を補修します。

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目地補修後に、タイルをつめて貼り戻します。このときに、ALCパネルの真上には、タイルの目地もつくります。

シーリング充填
最後にタイル部の目地にもシーリングを充填し、タイル裏面の目地部の工事は完了です。
このようなしっかりとする工事を、建物全箇所で行おうとすると、かなりの金額になってしまいます。ただ、「漏っている箇所付近の目地」「漏っている付近の目地と同一面の目地」「打診調査して周囲の浮きが著しい箇所の目地」「開口部に近くをとおる目地」などは、このようなタイルをはつった上での補修を推奨いたします。

より簡便な方法

タイルからの漏水を予防するため、あるいはタイルからの漏水を修理するために、「ご予算」「建物の傷み具合」「求める防水性の水準」など勘案したうえで、より簡便な方法で修理することも可能です。ご紹介いたします。
タイル防水工事中
タイルにセブンSSという防水材を塗布しています。こちらは、3層5工程をかけ、タイルに分厚い塗膜をつくります。砂骨ローラーといって、厚みをつけるためのローラーを転がして、たくさん防水材を塗り付けますので、みかけはちょっと厚ぼったくなります。

透明なタイル防水完了
タイル防水完了後の写真です。左の施工中の写真では、白濁した風合いでしたが、乾くとこのように無色透明にはなります。厚ぼったく透明なものが塗ってあるようにはなりますが、建物の状態が比較的に良好な場合、まだ漏水にいたっていないような場合には、お勧めの方法ではあります。
シーリングのみ
シーリングのみ、目地上から被せる方法です。緊急の場合、壁全部でなく漏水箇所のみ補修したい場合、本格的な施工をするまでの繋ぎの工事として、このような工事を行うことがあります。

ロープアクセスによるシーリング応急処置
ロープ工法による応急処置の写真です。部分的な補修の場合には、高所作業車やロープ工法などでご対応することも可能です。
小金井市の漏水調査から、タイル目地(隠れた内部の目地)からの漏水の原因と、その補修方法についてご説明いたしました。タイル防水を考えるとき、どの程度の工事が必要かの判断はとても難しく、私たちプロでも迷うことが多いです。応急処置の相談にも乗れますので、お気軽にご相談ください。